銀座奥野ビル ギャラリー エクリュプラスエイチエム Ecru+HM

 
Ecru+HM

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西川雅典漆芸展 森の記憶

Masanori Nishikawa
(漆芸)

11月12日(金)〜11月20日(土)17日休
12:30〜19:00(最終日17:00)


石膏などにより原型を作り、その上に麻布を漆で
貼り固め幾重にも重ね、原型を取り除いて堅牢な
素地を作る“乾漆”(かんしつ)の技法。
自由な形を作ることが可能で、古くは奈良時代の
仏像や戦国時代の甲冑にも使われている伝統的な
漆の技法の1つです。興福寺の阿修羅像はよく知
られています。

作家はこの乾漆の技法を得意とし、いくつかの曲
面で構成されたフォルムを作っています。和紙を
用い、金属粉や色漆を使った表面は、複雑なマチ
エールが際立ち、記憶の奥をくすぐるような深い
色彩を生み出しています。漆を重ねることで、漆
ではないような斬新な、しかしやわらかなテクス
チャーが誕生しました。

今回は、面と面との連なり、または表情を対比さ
せて構成するなどした、オブジェ、壁面作品、
花器、小筥(こばこ)、片口やぐい呑などの器類
などをご紹介いたします。

“塗りの技術的追求と前衛的造形”という難しい
関係も見事に両立させており、2019年には、
ハイブランドのロエベの「LOEWE FOUNDATION
CRAFT PRIZE 2019」のファイナリストに選出
されました。